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秋のラノベレビュー(94)

急速に秋めいてきた9月の下旬。
そんなわけで久々にお届けする秋のラノベレビュー。

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「俺の妹がこんなに可愛いわけがない11」(伏見つかさ/電撃文庫)
「とある飛空士への誓約1」(犬村小六/ガガガ文庫)

鏑木が絶賛するシリーズ最新作から2本。

【俺の妹がこんなに可愛いわけがない11】
表紙の女の子は誰だよ!
という疑問は、これまで表紙を飾ってきたヒロインが誰なのかを
ずっと追いかけていれば2秒で氷解する。

そんなわけで衝撃の引きを果たした前巻から一転、
今巻では京介と桐乃、麻奈実の冷戦が描かれる
過去回想ストーリー。
いささか複雑なうえ、後付け感否めない部分はあるものの、
存分に面白かった。

表紙の子とは別にもう1人、新キャラクターが登場。
え、この期に及んでと思ったが、
これなんてギャルゲ展開から
最終的な締め方に至るまでの流れが実に秀逸。

そして今巻の章立て。

第一章 P11
第二章 P69
第三章 P143
第四章 P253
エピローグ P291

で、もくじに記載がない「あとがき」が312ページ。
厚みからしてまだ30ページくらい残っているのだがこれは――
とページを捲ると

>「俺の妹がこんなに可愛いわけがない12 プロローグ」

なんですとー!?
これはやられた。してやられたわ。
こんなギミックありかよ。
まさにライトノベルジャンルゆえの斜め上。

> ――季節は冬。
> 卒業までの残り僅かな時を使い、わたしたちは親友に宣戦布告した。
> 『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』最終巻に続く

うえええええええ!!!???
マジですかー!?
思わず吠えた二段攻撃。

うーしかしこれは。
アニメ放映と同じタイミングで華々しく散るということか。
らしいちゃ、らしいか。

しかしいよいよ桐乃の本性に迫る話。
妹・桐乃の、あやせの、黒猫の、麻奈実のそれぞれがどんな結末を迎えるのか、
楽しみで仕方ない。座して待ちたい。

【とある飛空士への誓約1】
「たとえ敵味方に別れようと、我々は憎みあうことはない。友情は永遠だ」

犬村小六氏の「とある飛空士」シリーズ最新作にして長編の第1弾。
聞くところでは最終作らしい(たしか犬村氏がそうツイートしてた)。
坂上、ミオ、イリア、ライナ、かぐら、セシル、バルタザールの7人主人公だが、
実質的には坂上が主人公。

さて、前振りが長くなってしまったがこれは非常に面白い。
同じ長編シリーズだった「恋歌」の反省(?)を踏まえたのか、
微妙に酷似した設定(きっかけが主人公の復讐劇、ともに戦う少女)ながら、
初巻から激しい空戦で熱い。
それでいてラブコメ展開(恋、というにはちと足りない)も忘れていない、
まさに本作の真骨頂。

この7人の中に「王位継承者」「ハチドリ」がいて正体が明かされていないのも
非常に気になる展開。ヒントがないか、何度も熟読してしまったぜ。
それとなく暗示はされているが、性別の記載すら巧みに回避しているのは上手い
(普通は、王子か姫、あたりを使うので「王位継承者」なんて言わない)。
これはビジュアルがない活字メディアならでは。

刊行ペースは決して早くないようだが、粛々と期待しよう。



「とある飛空士」シリーズはラノベの枠にハメて良いものか、それほどズバ抜けてる感

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