夏のラノベレビュー(92)
梅雨明け前ながらすっかり夏の装いとなった今日この頃に
お届けするラノベレビュー。
「ココロコネクト クリップタイム」(庵田定夏/ファミ通文庫)
「赤鬼はもう泣かない」(明坂つづり/ガガガ文庫)
「僕は君たちほどうまく時刻表をめくれない」(豊田巧/ガガガ文庫)
正直、3本ともいつ読んだのか覚えてないくらいの積み感想っぷり。
【ココロコネクト・クリップタイム】
シリーズ4巻目にして短編集。
◆スクープ写真の正しい使い方
いきなり時系列がかなり過去。
なので設定把握に戸惑った。初期のノリが懐かしい。
◆桐山唯の初体験
百合。
実は俺の中で桐山唯の立ち位置がイマイチ定まっていない。
ビジュアライズされれば違うのかなぁ。
◆稲葉姫子の孤軍奮闘
またの名を空回り。
◆ペンタゴン++
今巻メイン。
後輩となる1年生、宇和千尋(男)と円城寺紫乃(女)が文研部に体験入部する話。
ペンタゴンは五角形、ダブルプラスはこの2人のことを指すのだろうけど、
なんとも意味深なネーミング。この2人が続刊でも活躍してくれるのだろうか。
総評としては相変わらずテキストがイラストに追い付いてない感で、
物足りない。
【赤鬼はもう泣かない】
> イラスト:白身魚
典型的ジャケ買い狙いの釣り。
承知の上で釣られて買ったが大失敗。
いやーホント厳しかった。
全部で294ページなのだけど、2/3くらいは読むのが苦行。
ラノベっていわゆる「燃えと萌え」が主流と言うか、
実際俺もそれを期待して読んでるわけですよ。
「燃え」も「萌え」も無いとはなかなか斬新。
そして手に取った時点で誰もが思うであろう、
「赤鬼ってこの女の子なんでしょ?」という予想。
→「なんの捻りもなく正解」(ネタバレ反転)
こーゆーのが好きな人もきっといるのだろう、
と一応フォローはしておくが、俺としてはお勧めできない。
あと、売れっ子イラストレーターさんは仕事を選ぶべきだと思います。
【僕は君たちほどうまく時刻表をめくれない】
ないわー。
これはないわー。
ふむ。自他ともに鉄オタであるところの俺であり、
明らかにそこをターゲットにしてるのだと思う一方、
「たぶん性に合わんのだろうな」と思って買ったのだが、
やっぱり性に合わなかった。
まずヒロイン(2人)が鉄オタというのがない。
それを言い出すとラノベというジャンルは成り立たなくなってしまうので、
これは譲って良しとしよう。
次に主人公が鉄オタ全否定。これはダメだ。
作品のターゲット層を否定しちゃダメだろ。極めて不愉快だぜ。
3点目にストーリーもないわ。もちっと、こう、考えたら?
むかし良くあった「鉄道ミステリー」的な要素もちょっと期待したのだが、
なくはないものの拍子抜け。
知らない層に向けているのか、説明が冗長でまわりくどい。オチも弱い。
あとがきを読むと、氏はそこそこ鉄への造詣はあるようなのだけど――
色々と残念だった。
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