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劇場版「とある飛空士への追憶」見てきた

「次期皇妃を水上偵察機の後席に乗せ、中央海を単機敵中翔破せよ」

Dsc03110

実に3年前に記したラノベレビューで大絶賛、
その後も、原作・犬村小六氏の著作を読みあさり、
『とある飛空士』シリーズ刊行ごとに絶賛を重ねてきた恋と空戦の物語が、
遂に待望の映像化。しかも劇場版!

ということで公開に遅れること一週間、ようやく見てきたのでさらっとレビュー。

※ネタバレ注意

劇場、ということで当然画像めいたものはないし、
リアルタイムなメモもないので思い出しつつ箇条書き。

・サン=マルティリア奇襲は目を見張る急展開
・天ツ上空軍の圧倒的な存在感
・髪切ったファナ可愛い
・ビーグルとの一騎打ちは熱すぎて震えた
・ビジュアルで描かれる大瀑布の存在感!

いやぁ、やっぱりビジュアライズは偉大。
小説で俺が「絵で見たい!」と思ったものが
きちっと描かれていた。
本来ならばこれだけで手放しで喜ぶべき。
だが!だが!

大好きな作品ゆえそれだけでは終わらない。
やはり最大のクライマックスは、
ビーグルこと千々石との一騎打ち。
「夜想曲」がこの一騎打ちの後を描いたお話であるがゆえに、
さらに帝政天ツ上が「戦前日本」をモチーフにしてるがゆえに、
心情的には千々石を応援してしまったぜ。

ということでビジュアライズの絶賛終了。
 
 ◆

ちょっと不満点。
尺が99分というのは厳しい。
TVアニメで言えば4話ぶん。(1話25分換算)
338ページの原作からすれば標準的なのかもしれないが、
設定上重要な、大瀑布とかベスタドとかの説明もなかったし、
「海猫作戦」に至ってはそんな台詞一度も出て来なかったんだぜ?
名作だからこそ設定説明はきっちりやって欲しかった。

 ◆

そして激しい不満点。

ここまで敢えて触れて来なかったが――


メインキャスト2人が棒すぎる


中盤はほとんどシャルルとファナの2人で描かれるだけにこれはもう致命傷。
特にファナが酷い。
さらっと見た限りでは「ヘタウマ」なんて評価を受けてるぽいが、
全然駄目。
俺が最大級の敬意を持って応援する作品のヒロインとしては、落第点としか。
幼少期キャストは別の人ぽいが、そっちの方が上手い始末。
相対的にシャルルがマシに思えてくるレベル。

いま気付いたんだが、イマイチ俺がジブリ好きじゃないのは、
中の人が本職じゃないことが多いからのような気がしてきた。

なにも普通の俳優が声優やるな、ってな話じゃなくて、
話題作りのためだけに下手な奴起用すんなと。
作品に対する敬意はないのか。

一方で千々石役・サンドウィッチマン富澤は、
意外なほど上手かった。
こう言っては失礼かもしれないが、あまりの違和感のなさに驚いた。
サンドウィッチマンは最近のお笑い芸人では好きな部類だけに
ますます株が高騰してるぜ。

 ◆

以上。
あまりにアレだったので怒りに任せて書いてしまったが、
いやあまりにアレだったので。

俺が見に行ったときがたまたまならばいいんだが、
観客は10人居るか居ないか、だった。
きっと興業的には大爆死だろう。

無難に人気キャストを配してくれていれば――
普通にアニメファンからの評価を得ていただろうし、
中途半端に一般向けに振ったせいで空振ることもなかっただろう。

久々に原作の森沢絵ファナを見たけれど、
こっちの方が断然可愛いじゃないか!
(てゆうか原作の水着設定が劇場版なくなってるし!)

ということで。
このまま爆死評価を受けるのがただただ悔しいゆえ、
かなり苦言を呈してしまった。
単品の劇場アニメとしては充分名作なので、是非ご覧頂きたい。

まとめ。
願わくばなかったことにして作り直しを望む



なかったことにして「とある飛空士への恋歌」アニメ化でも可

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コメント

「次期皇妃を水上偵察機の後席に乗せ、中央海を単機敵中翔破せよ」

っていう言葉も無かったから
ショックだった

あまりにも同じ感想をもっていたので思わずコメントを残してしまいましたw

投稿: 通りすがり | 2011.12.02 21:10

>通りすがりの方
コメントありがとうございます。

……あれっ、冒頭の台詞、ありませんでしたっけー?
もはや記憶も薄れつつあるのでアレというか、
記憶を捏造する程度にインパクト抜群なフレーズすぎて。
なにしろ、あの「俺の妹」がパクったほどの台詞なのだから!

このシリーズは続く限り追いかけると思うので、
どうぞよしなに。

投稿: 鏑木 | 2011.12.02 22:17

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モブログで先に書いたとおり昨日、『とある飛空士への追憶』を観に行ってきました。こちらの作品は原作文庫本も読破済みです。と言っても、原作を読んだのは先月半ば過ぎになってからというかなりの泥縄だったのですけどね。 『とある飛空士への追憶』公式HP 公開劇場...... [続きを読む]

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