ラノベレビュー番外編「千葉県立海中高校」
高校教師牧村光次郎の回想と、その回想の時代である、
海中高校の女子高生木原夏波の視点から紡がれる物語。
異なる時代で、視点が違うというのもなかなか斬新だが、
やはり注目すべきは「海中高校」設定。
読んで字のごとく、海中にある高校で
その名も千葉県東京湾に作られた「海中都市」が舞台。
千葉に住むものとしては聞いただけでワクワクする設定。
千葉は県立高校(の勢力)が強いのでタイトル自体かなりのインパクト。
著者も千葉出身ゆえそのあたりの事情は折り込み済と思うし、
素直に上手い。
設定も妙に凝っていて海中高校校歌や校則、
JR海中線(京葉線海浜幕張~新習志野に接続するらしい)の時刻表まで、
妙にマニアックな設定が用意されていた。
そこまで用意していながら惜しいのは地図がないこと。
地元ゆえ概ね想像できるが、残念。
しかしこれらの設定に引っ張られることなく、
ちょっとシビアな環境問題に触れつつもベースはさわやかな恋愛ストーリー。
政治絡みの話もちょいと出てくるのだが、
極めて近々に話題になったネタも皮肉を込めて織り込まれてて快哉。
登場人物の絡みというか伏線も上手で、俺好みのちょっとした
サプライズもあって、かなり楽しめた。
地元千葉ゆえか、近所の書店では平積みされていたりする。
それほど長いストーリーでもないし、気軽に手にとって読んでみるにお薦め。
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